2022年12月31日 (土)

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当ブログにて公開中のレビュー、および1998年12月1日からスタートした『とみぃの宮殿』に掲載された記事を当ブログにて再公開したレビューのインデックスページになります。(2018年4月26日更新)

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投稿: 2022 12 31 12:00 午前 [「記事一覧」] | 固定リンク

2018年4月30日 (月)

2018年4月のお仕事

2018年4月に公開されたお仕事の、ほんの一例です。随時更新していきます。
(※4月26日更新)


[WEB] 4月26日、「リアルサウンド」にてTHE PINBALLSのアーティスト分析「THE PINBALLS、時代に捉われないバンドスタイル シンプルさで勝負するクリエイションに迫る」が公開されました。

[CD] 4月25日のSKINDREDのアルバム「BIG TINGS」日本盤にて、ライナーノーツを執筆しました。(Amazon

[WEB] 4月25日、「BARKS」にてDIR EN GREYのDie&Shinyaインタビュー「DIR EN GREY、結成20周年のシングル『人間を被る』」が公開されました。

[紙] 4月24日発売「TV Bros.」2018年6月号にて、春ねむり『春と修羅』、Serph『Aerialist』、トム・ミッシュ『Geography』の各ディスクレビューを執筆しました。(Amazon

[紙] 4月23日発売「ヘドバン Vol.18」にてX『Vanishing Vision』クロスレビュー、LOVEBITESライブレポート、A PERFECT CIRCLE『Eat The Elephant』、DIMMU BORGIR『Enonian』、HER NAME IN BLOOD『POWER』、MARY'S BLOOD『Revenant』、PHILIP H. ANSELMO & THE ILLEGALS『Choosing Mental Illness As a Virtue』、RITCHIE BLACKMORE'S RAINBOW『Memories in Rock II』の各ディスクレビューを執筆しました。(Amazon

[WEB] 4月22日、「リアルサウンド」にて大森靖子&ピエール中野インタビュー「大森靖子×ピエール中野、“アイドルとフェス”文化に新提案 「好きって気持ちだけは信用していい」」が公開されました。

[紙] 4月18日発売「別冊カドカワDirecT 11」にて、KAT-TUNインタビュー、KANインタビューを担当・執筆しました。(Amazon

[WEB] 4月16日、「BARKS」にてブルーノ・マーズのライブレポート「ブルーノ・マーズ、これぞ“今もっとも世界が求めるアーティスト”のステージ」が公開されました。

[WEB] 4月11日、「リアルサウンド」にてNGT48インタビュー「NGT48 荻野由佳&小熊倫実&本間日陽が語る、3rdシングルでの挑戦と“きたりえイズムの継承”」が公開されました。

[紙] 4月9日発売「UTB+Vol.43」2018年5月号にて、けやき坂46加藤史帆×齊藤京子×佐々木久美、富田鈴花×松田好花の各インタビュー、けやき坂46「音ボケPOPS」番組密着レポート&潮紗理菜×柿崎芽実×佐々木久美インタビュー、けやき坂46「ゆうがたパラダイス」番組密着レポート&はんにゃ金田インタビューを担当・執筆しました。(Amazon

[WEB] 4月5日、「BUBKA WEB」にて乃木坂46和田まあや×伊藤かりんインタビュー「秘密の処世術」の序文が公開されました。

[WEB] 4月5日、「リアルサウンド」にてLittle Glee Monsterのライブ評「Little Glee Monster、“様々な挑戦”が結実 アリーナツアー千秋楽を見て」が公開されました。

[WEB] 4月4日、「リアルサウンド」にてHER NAME IN BLOODインタビュー「HER NAME IN BLOODが語る、バンドの進化と新たな挑戦「シンプルな楽曲は強い武器になる」」が公開されました。

[紙] 4月4日発売「日経エンタテインメント!」2018年5月号にて、欅坂46小池美波×長濱ねる×土生瑞穂、上村莉菜×尾関梨香×織田奈那×鈴本美愉の各インタビュー、別冊付録「けやき坂46パーフェクトガイド」にてけやき坂46河田陽菜×小坂菜緒×渡邉美穂インタビューを担当・執筆しました。(Amazon

[WEB] 4月2日、「BUBKA WEB」にて乃木坂46齋藤飛鳥×久保史緒里×山下美月インタビュー「『こっち側』の3人」の序文が公開されました。

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また、3月に当サイトで紹介したアルバム(Spotifyで配信している作品のみ)から各1〜2曲程度ピックアップして、30曲程度のプレイリストを制作しました。題して『TMQ-WEB Radio 1803号』。一応曲の流れなんかも考慮しつつ曲順を考えておりますので、レビューを読む際のBGMにするもよし、何も考えずにダダ流しするもよし。おヒマなときに聴いていただけると嬉しいです。

投稿: 2018 04 30 12:00 午後 [「仕事紹介」] | 固定リンク

2018年4月26日 (木)

SUEDE『SUEDE』(1993)

本国イギリスで1993年3月末、日本では同年4月頭にリリースされたSUEDEのデビューアルバム。前年に発表されたシングル「The Drowners」(全英49位)、「Metal Mickey」(同17位)のスマッシュヒットや、バイセクシャルをイメージさせるブレット・アンダーソン(Vo)の発言などもあり、バンドは急速に注目度を高め、アルバム直前のシングル「Animal Nitrate」はついに全英7位まで上昇。続くアルバムも当然のように全英1位に輝き、いきなり大ヒット作となったのでした。また、同作からは続いて「So Young」もシングルカットされ、全英22位にランクインしています。

ブリットポップ勃発直前に、こういった時代錯誤なグラムロック的バンドがシーンに登場するというのがいかにもイギリスらしく、当時ロックシーンのど真ん中にいたNIRVANAPEARL JAMのようなアメリカ産ロックバンドとは違った異端ぶりを発揮。そりゃあ食いつきますよね、僕。大好物ですもの、こういうバンド。

70年代のデヴィッド・ボウイやROXY MUSIC、80年代のU2(初期3部作に限定)やTHE SMITHSという我々がイメージするUKロック(厳密にはU2はUKじゃないけど)の延長線上にあり、のちに爆発的人気を博すBLURやOASISとは異なる“お家芸”を90年代初頭というマンチェスタームーブメント末期にドロップする心意気。時にヘヴィに、時に耽美にと変化するねちっこいバンドサウンドと同性愛や近親姦、獣姦などスキャンダラスなテーマを扱う歌詞。なのにキャッチーでわかりやすいメロディと、至るところに散りばめられている毒。ブレットの中性的な歌声と、バーナード・バトラー(G)の“裏メロ”と呼びたくなるくらいに歌いまくるギタープレイなど、特徴的なポイントを多数持ち合わせており、時代の変わり目に突如咲いた徒花のわりにアホほど売れた……いや、単なる徒花ではなかったことは、次作以降で証明されていくわけですが。

シングル曲の出来はもちろんのこと、それ以外の楽曲も本当に素晴らしい。「She's Not Dead」や「Pantomime Horse」、「Sleeping Pills」「The Next Life」など本当に捨て曲なし。シングル曲はミドルテンポのロックチューンばかりですが、アルバムでたっぷり聴ける繊細なバラードナンバーもこのバンドの大きな魅力と言えます。次作以降、そういった面をシングルでも切っていくことで、そういった要素はさらに広く伝わっていくことになるのですが、まあスキャンダラスさを打ち出すという意味においてはデビュー作からのシングルの切り方としては間違ってなかったのかもしれませんね。

とにかく名盤。文句なしの名盤。もちろん、2ndアルバム『DOG MAN STAR』(1994年)も3rdアルバム『COMING UP』(1996年)も名盤ですけど、この輝きや存在感はデビュー作ならではのもので、別格ではないでしょうか。

リリースから今年で25年。先日、レアトラックを多数収録した4CD+DVDのボックスセットも発売されたばかりですが、こちらとしてはもっと気軽に90年代の作品が聴ける環境を作ってほしいなと思っているのですが。意外ですよね、ベスト盤以外の再結成前の諸作品が配信されていないのって。



▼SUEDE『SUEDE』
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投稿: 2018 04 26 12:00 午前 [1993年の作品, Suede] | 固定リンク

2018年4月25日 (水)

THE POLICE『SYNCHRONICITY』(1983)

乃木坂46通算20枚目のシングル『シンクロニシティ』発売および大ヒット、おめでとうございます。

ということで、今日はこのタイトルを最初に知ったとき、オッさんリスナー誰もが思い出したであろうTHE POLICEの5thアルバムにして最終作となった『SYNCHRONICITY』を紹介したいと思います。

アルバムを出すごとに本国イギリス以上にアメリカで大きなヒットを飛ばし始めたTHE POLICE。前作『GHOST IN THE MACHINE』(1981年)はついに全米2位、300万枚ものヒット作となりました(イギリスでは当然のように1位獲得)。また、同作からは「Every Little Thing She Does Is Magic」(全英1位/全米3位)というヒットシングルも生まれ、あとはどのタイミングで全米1位を獲得するのかと、誰もが注目しているところでした。

そんな中、先行シングル「Every Breath You Take」に続いて1983年6月に発表されたのが、本作『SYNCHRONICITY』。「Every Breath You Take」はイギリスのみならずアメリカでも初の1位を獲得し、しかも8週連続1位という偉業を成し遂げました。アルバムのほうもこれに続いて全米1位を獲得。さらに「Wrapped Around Your Finger」(全英7位/全米8位)、「Synchronicity II」(全英17位/全米16位)、「King Of Pain」(全英17位/全米3位)とヒットシングルが多数生まれ、結果アメリカでは800万枚を超えるメガヒット作となったのでした。

パンクにレゲエをミックスしたシンプルなバンドサウンドからスタートしたTHE POLICEが、7年程度でたどり着いた到達点。テクニカルなバンドアンサンプルを多用した「Synchronicity I」のようなロックチューンから民族音楽的な「Walking In Your Footsteps」、アンディ・サマーズ(G)が歌う国籍を感じさせない「Mother」、ラテンポップロックと読んでも差し支えない「Miss Gradenko」、ギターがパワフルなハードロック「Synchronicity II」など、楽曲としてはかなりバラエティに富んだ印象の強いアルバムです。

そこから、スティング(Vo, B)の淡々とした歌い出しがストーカーまがいな歌詞と妙にマッチする「Every Breath You Take」で後半戦に突入。以降、「King Of Pain」「Wrapped Around Your Finger」とヒット曲が続き、アナログ盤はジャジーさすら感じさせるレゲエソング「Tea In The Sahara」で幕を下ろします。そこにCDやカセットではさらに、「Murder By Numbers」というのちのスティングのソロ活動につながる1曲が追加されています。

スティング、アンディ・サマーズ、スチュワート・コープランド(Dr)と創作意欲も演奏技術も優れた、エゴの強いミュージシャンが作り出した終着点。いろんな意味で、バンドとしても臨界点に突入していたんでしょうね。本作を携えたワールドツアーを終えると、バンドは活動休止に突入。スティングはジャズに傾倒したソロアルバム『THE DREAM OF THE BLUE TURTLES』(1985年)を発表し、THE POLICEに次ぐ成功を収めます。そして1986年、再びスタジオ入りした3人でしたが、結局過去のヒット曲「Don't Stand So Close To Me」のリメイクバージョン1曲を残したのみで、THE POLICEは長い沈黙に入るのでした。



▼THE POLICE『SYNCHRONICITY』
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投稿: 2018 04 25 12:00 午前 [1983年の作品, Police, The] | 固定リンク

2018年4月24日 (火)

MANIC STREET PREACHERS『RESISTANCE IS FUTILE』(2018)

MANIC STREET PREACHERS通算13枚目のスタジオアルバム。ってそんなに出してたのかと改めて驚かされます。まあ、バンドがデビューして早27年。2年に1枚ペースで出している計算ですよね。ところが本作、スタジオ新作としては実に3年9ヶ月ぶりと過去最長インターバルなんですよね。とはいえ、ここ数年は4thアルバム『EVERYTHING MUST GO』(1996年)の20周年盤や8thアルバム『SEND AWAY THE TIGERS』(2007年)の10周年盤なんかも出てたので、そんなに間隔が空いたような印象も受けず。不思議なものです。

前々作『REWIND THE FILM』(2013)と前作『FUTUROLOGY』(2014)は同時進行で制作された、対となる連作でした。なので、作風的にも前者はオーガニックでアダルト、後者はエレクトロ色強めで攻めるという違いがありましたが、今作はどうかというと……従来のMANICS節はそのままに、若干落ち着いた印象があることから、『REWIND THE FILM』をよりロックサイドに寄せたイメージを受けました。

昨年末から「International Blue」「Distant Colours」「Dylan & Caitlin」「Liverpool Revisited」といったデジタルシングルを小出しにして話題作りに専念してきた彼ら。確かに、長期にわたりこうしたプロモーションを続けるのは今の風潮に合ったやり方と言えるでしょう。特に、90年代のMANICSはシングル切りまくりでヒット曲を連発させてきたバンド。2000年代後半以降こそヒットシングルに恵まれないものの、こうして「良い曲、たくさんありますよ?」とアピールするのは、このバンドの場合間違ってない気がします。

勇ましさがありつつもどこかドリーミーという黄金MANICS節を効かせたキラーチューン「People Give In」から幕を開けるこのアルバムは、以降上記のシングル曲が連発し、すでに馴染み深いアルバムのような錯覚を与えてくれます。そんな名曲群の合間に登場する「Vivian」の、サビに絡みつく裏メロギターソロがまた気持ち良いのなんの。

後半は初出の新曲目白押しで、これがまた良いんです。グッとロック度の増した「Sequels Of Forgotten Wars」を筆頭に、ゆったりとしたリズムとアンセム度の強いシンガロングが耳に残る「Hold Me Like A Heaven」、前作からの余韻を感じさせる「In Eternity」、久しぶりに攻撃的なギターリフが聴けるパンキッシュな「Broken Algorithms」、これも王道感満載なキラーチューン「A Song For The Sadness」、かなり落ち着いた印象のラストチューン「The Left Behind」と完璧な流れ。全12曲捨て曲なしの、完璧なまでに真っ当な“MANICSのロック/ポップアルバム”と断言できます。もはやこれは焼き直しとかそういう次元ではなく、MANICSがMANICSであることを、次の時代に継承しようとする生き様の表れなのです。

どこにも無理矢理さや肩肘張った感じがなく、すごくナチュラルに良曲が並ぶ。そんな曲が1曲あるだけでもすごいのに、それが12曲並ぶのですから……彼らはここにきて、キャリア何度目かの黄金期に突入したのかもしれませんね。ここまで吹っ切れていると、本当に気持ちよく楽しめるんですよ。

「International Blue」のMV然り、アートワーク然り、日本を強くイメージさせる作品ですので、ぜひ1日も早く日本に戻ってきてもらいたいところです。いやあ、アルバム曲をライブで聴くのが今から楽しみだ。



▼MANIC STREET PREACHERS『RESISTANCE IS FUTILE』
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投稿: 2018 04 24 12:00 午前 [2018年の作品, Manic Street Preachers] | 固定リンク

2018年4月23日 (月)

SIGUE SIGUE SPUTNIK『FLAUNT IT』(1986)

1986年3月にリリースされた、SIGUE SIGUE SPUTNIKのデビューアルバム。元GENERATION X(ビリー・アイドルが在籍したパンクバンド)のトニー・ジェイムス(G)が在籍するということ以上に、80年代半ばにおいてもどこか時代錯誤に感じられた奇抜なファッションと、単調なデジタルビートを基盤にしたチープな音楽性で良くも悪くも話題となったバンドですが、デビューシングル「Love Missile F1-11」は全英3位を記録。続く2ndシングル「21st Century Boy」は全英20位と順位を落とすものの(そりゃそうでしょう、デビュー曲とほぼ同じ曲調ですし)、アルバムは全英10位とまずまずの成功を収めます。

僕も当時、『ミュージックライフ』などの音楽誌で彼らのことを知り、あの馬鹿馬鹿しいまでのルックスに惹かれ、さらにMTVなどで「Love Missile F1-11」のMVを観て(初めて音を聴いて)いろんな意味で衝撃を受けるわけです。「これがフューチャーロック、フューチャーパンクか……」と感銘を受け……るわけないですよね、さすがの中坊でも(苦笑)。

でもね、この曲が癖になるんですよ。単調なデジタルビートにエフェクトかけまくりのボーカル、オールドスタイルのギタープレイ。気づけば、何度もリピートしていた自分がいて……たぶん、実家に7インチシングル、残ってるんじゃないかな?

で、アルバム。さすがに自腹で購入せずレンタルで済ませましたが(笑)、まずはそのジャケットに驚かされるんじゃないでしょうか。妙な日本語が散りばめられていたり、どこかで見たことのあるロボットが描かれていたり……彼らにとっての“近未来”とは日本、いや、東京そのものなんでしょうかね。で、オープニングの「Love Missile F1-11」がバージョン違いで日本語が入ってきたりでさらに驚かされ、2曲目「Atari Baby」で早くもテンポを落とすものの、続く「Sex Bomb Boogie」以降はしばらく同じテンポ感、同じビート感、同じ曲調が延々と続きます……続くのです(苦笑)。

こうやってアルバム通して聴くと、実は「Love Missile F1-11」ってよく作り込まれた楽曲だったんだなと、改めて実感させられます。そして、いろんなところで言われていると思いますが、FRANKIE GOES TO HOLLYWOODにも通ずる“ハリボテ”も強かったりして、そのニセモノ感が受け入れられるかどうかで評価も大きく変わるバンド/アルバムかもしれません。

が、そこまでの高評価が似合わないのも、このバンドらしいというか。名盤というよりは迷盤として語り継がれるのが、彼らにはぴったりかもしれませんね。

とはいえ、音楽史的には非常に意味の大きい1枚なんですよね。だって、このアルバムがなかったら、その後の布袋寅泰の『GUITARYTHM』シリーズもなかったでしょうし、かのロマンポルシェ。も生まれなかったでしょうから(それは言い過ぎ?)。



▼SIGUE SIGUE SPUTNIK『FLAUNT IT』
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投稿: 2018 04 23 12:00 午前 [1986年の作品, Sigue Sigue Sputnik] | 固定リンク

2018年4月22日 (日)

THE DAMNED『EVIL SPIRITS』(2018)

結成から40年を超えたTHE DAMNEDの、前作『SO, WHO'S PARANOID?』(2008年)以来10年ぶりの新作(通算11枚目)。前作も7年ぶりでしたし、そもそもライブで求められるのは初期の楽曲中心でしょうから、新作が求められているのかどうか微妙ですが……ここは素直に音を評価してみたいと思います。

現在のメンバーはデイヴ・ヴァニアン(Vo)、キャプテン・センシブル(G, Vo)のオリジナルメンバーのほか、モンティ・オキシモロン(Key)、ポール・グレイ(B)、ピンチ(Dr)。ベースのポールは80年代初頭に在籍したことがあり、昨年前任のスチュ・ウェストと入れ替わりで再加入したばかり。

プロデューサーはデヴィッド・ボウイなどでおなじみのトニー・ヴィスコンティ。サウンド的には80年代以降のサイケデリックロックやゴシックロックの延長線上にある、およそパンクロックとは呼びがたいもの。1stアルバム『DAMNED DAMNED DAMNED』(1977年)や3rdアルバム『MACHINE GUN ETIQUETTE』(1979年)の路線を期待して臨むと痛い目を見ることでしょう。

とはいえ、彼らが今やパンクロック主体で活動していないことは、その動向を追っていればなんとなくわかっているはず。なので、そういう広い心でアルバムに臨むと……あれ、意外と良いんじゃない? と思えてくるから不思議です。

THE DOORSあたりを彷彿とさせるサイケガレージロック「Standing On The Edge Of Tomorrow」を筆頭に、序盤はスルスル聴き進められるはず。かと思うと、どこか土臭い壮大さのある“聴かせる”ミディアムナンバー「Look Left」、小気味良いシャッフルビートの「Sonar Deceit」「Daily Liar」、ジャジーなピアノバラードからドラマチックな展開を見せる映画のサントラみたいな「I Don't Care」と、意外とバラエティに富んだ楽曲群がずらりと並びます。

正直、僕は90年代以降のTHE DAMNEDをちゃんと聴いてきたわけではありませんが、これは80年代諸作品に非常に近い作風で、僕個人としてはなかなか聴き応えのある1枚だと思いました。デイヴ・ヴァニアンの落ち着いたトーンの歌声も気持ち良いですし、なによりも全体を覆うオルガンサウンドの気持ち良さといったら。初期パンクの固定観念さえ切り離せれば、普通に気持ちよく楽しめる1枚だと思いました。

なぜかホラー映画のサウンドトラックを聴いてるような、不思議な感覚に陥る作風・構成。アルバムジャケットもそれっぽいですもんね。単純に自分がホラーマニアだからか、この“架空のサウンドトラック”は新しさ皆無ながらも自分のツボにハマる、なかなかの好盤でした。



▼THE DAMNED『EVIL SPIRITS』
(amazon:海外盤CD / MP3

投稿: 2018 04 22 12:00 午前 [2018年の作品, Damned, The] | 固定リンク

2018年4月21日 (土)

HAREM SCAREM『VOICE OF REASON』(1995)

カナダ出身の4人組バンドHAREM SCAREMの3rdアルバム。前作『MOOD SWING』(1993年)がここ日本で高く評価されたこともあり、続く今作にも大きな期待が寄せられましたが、いざ完成したアルバムは大方の期待を裏切るような作風でした。

グランジやモダンヘヴィネス系がロックシーンに台頭し、メロディアスでビッグプロダクションがぴったりな“産業ハードロック”が時代遅れと言われ始めた時期に登場した『MOOD SWING』は、そういったガヤを吹き飛ばすほど完成度の高い1枚でした。特にここ日本では後追いで発売されたデビューアルバムも人気を博し、HAREM SCAREMといえばこの2枚!みたいなイメージが出来上がったタイミングに届けられた、待望のニューアルバム……きっと多くのファンが「HAREM SCAREMよ、おまえもか!」と落胆したんでしょうね。

『MOOD SWING』と比べたらだいぶ落ち着いた、全体を覆うダークめな空気感は確かに90年代前半特有のものだったのかもしれません。しかし、別に彼らはグランジのおこぼれをもらおうと思ってこういうサウンドにシフトチェンジしたわけではなく、あくまでこの要素も自分たちのルーツの中に存在しているものとして、前作と違うものを目指した結果がこれだっただけなんじゃなかろうか。今にしてもるとそう思うわけです。

さて、本当にこのアルバムは“HAREM SCAREMらしくない”作品なのでしょうか?

僕、そこが常々疑問だったんです。だってこれ、めっちゃ良いアルバムじゃないですか? 確かに『MOOD SWING』は完璧なまでに時代と逆行した、80年代に思いを馳せた完全無欠のハードロックアルバムだったと思います。では、今作はどうかというと、逆に時代に寄り添いつつ自分たちがやりたいことに全力でトライした。やろうとしたこと自体は『MOOD SWING』もこの『VOICE OF REASON』もほぼ同じだったはずなんです。ただ、作品をまとめ上げるうえでのベクトルがまったく逆だっただけ。それによって、当時グランジのように粗暴なサウンドに拒否反応を示していた従来のHR/HMリスナーから敬遠されてしまった。そういう不幸な1枚だったのではないでしょうか。

オープニングを飾る「Voice Of Reason」からシングルカットされた「Blue」、さらに冒頭のピアノの音色が醸し出す切なさが半端ない「Warming A Frozen Rose」という流れも非常に気持ち良いし、なによりもその「Blue」はHAREM SCAREMらしさに満ち溢れた完成度の高い1曲ですし。アルバム後半も「Breathing Sand」を筆頭に、どこかシアトリカルなテイストが感じられる楽曲が多く、本当に聴き応えのある作品。イントロこそダークだけど、「Candle」もメロディアスかつダイナミックな1曲ですし……なんでこれが嫌われなくちゃいけないんだろう……。

1stアルバム『HAREM SCAREM』(1991年)と2枚目『MOOD SWING』のインパクトが強かった、しかもその2枚のイメージが強かったおかげで、3枚目のトライが受け入れられなかった。すべて時代のせいなのか、それとも……今こそ再評価してほしい1枚です。あと、デジタル配信もぜひお願いします!



▼HAREM SCAREM『VOICE OF REASON』
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投稿: 2018 04 21 12:00 午前 [1995年の作品, Harem Scarem] | 固定リンク

2018年4月20日 (金)

EXTREME『WAITING FOR THE PUNCHLINE』(1995)

1995年1月にリリースされた、EXTREME通算4作目のスタジオアルバム。大ブレイクのきっかけとなった2ndアルバム『PORNOGRAFFITTI』(1990年)が全米10位(200万枚超)、続く3rdアルバム『III SIDES TO EVERY STORY』(1992年)も全米10位(50万枚超)とそれなりの成功を収めますが、時代の潮流がHR/HMからグランジ的なものへと移行したことから人気も下降気味に。そういった中で、この4thアルバムの制作途中でポール・ギアリー(Dr)が脱退するというハプニングもあり、バンドとして苦境に立たされる中なんとか完成まで漕ぎ着けた1枚といえるでしょう。

とはいえ、アルバム自体はそういったネガティブな要素を吹き飛ばすような内容……でもないか(苦笑)。ええ、過去3作にあった“陽”の要素は完全に影を潜め、ひたすらダークな空気で覆われたヘヴィでザラついた作風なのです。それこそ、彼らの代名詞的な要素であった、ファンクメタルの要素も皆無。ダンサブルなカラーは若干あるものの、ファンクのそれとは一線を画するものですし。なので、このバンドに何を求めるかによっては、本作の評価は大きく異なるかもしれません。

もちろん、1枚のロックアルバムとしては非常に聴き応えのある強力なもので、例えば過去2作がAEROSMITHQUEEN的な溌剌とした“パッション命!”なアルバムだとしたら、本作はLED ZEPPELINあたりが持ち合わせた、音楽的実験と向き合いながら己の内面をサウンドで構築していく作法が用いられているような気がします。

それもあってか、サウンドプロダクションも80年代的なふくよかなものとは異なり、90年代前半らしいドライ&デッドな質感。ヌーノ・ベッテンコート(G)のギターサウンドのざらつき加減は好き嫌いが分かれそうですが、このアルバムに関して言えば非常にマッチしたものだと思うんです。プレイ自体も彼らしいテクニカルさを随所に織り交ぜているものの、派手になりすぎない“加減のわかった”奏法ですし。

ポールの後任として加入したのは、のちにDREAM THEATERに加入することになるマイク・マンジーニ。本作ではシングルカットされた「Hip Today」や「Leave Me Alone」「No Respect」の3曲のみに参加していますが、「Hip Today」でのシンプルながらも随所に派手なフィルをフィーチャーしたドラミングはキラリと光るものがあるし、なによりも「No Respect」の派手さは圧巻。特にヌーノの流麗なアコースティックギタープレイを味わえるから「Leave Me Alone」へ、そのまま「No Respect」へと続く構成は本作のハイライトと言えるでしょう。

ゲイリー・シェローン(Vo)のボーカルもこういったダークめのサウンドに合っていると思うし、何気にEXTREMEにおける裏名盤なんじゃないでしょうか。『PORNOGRAFFITTI』と双璧をなす、陽と陰を表す2作品だと思います。



▼EXTREME『WAITING FOR THE PUNCHLINE』
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投稿: 2018 04 20 12:00 午前 [1995年の作品, Extreme] | 固定リンク

2018年4月19日 (木)

FM『ATOMIC GENERATION』(2018)

90年代のブリティッシュHR/HMファンの間では、おそらくTHUNDERと同系統のバンドとして評価されているFM。THUNDER同様、彼らも90年代半ばに一度解散を経験していますが、2007年の再結成以降、『METROPOLIS』(2010年)を機に定期的に新作を発表してくれています。

今作『ATOMIC GENERATION』は彼らにとって通算10作目にあたる、記念すべき1枚。オリジナルアルバムとしては『HEROES AND VILLAINS』(2015年)から3年ぶりとなりますが、その間にデビューアルバム『INDISCREET』(1986年)の再録アルバム『INDISCREET 30』(2016年)を挟んでいるので、意外とそこまで時間が経っていない印象があります。

初期2枚(『INDISCREET』と1989年の2ndアルバム『TOUGH IT OUT』)は産業ハードロック的な印象を持っていましたが、3作目の『TAKIN' IT TO THE STREET』(1991年)あたりから伝統的なブリティッシュハードロックに傾倒し始め、個人的にも「『TOUGH IT OUT』は素晴らしかったけど、これはこれで良いかも」と好意的に受け入れていました。

今回の『ATOMIC GENERATION』も、比較的『TAKIN' IT TO THE STREET』以降の路線に近いのですが、単なる「王道の継承」というよりは「80年代的なAOR/産業ハードロックのルーツ部分も残しつつ、王道ブリティッシュハードロックと融合させていく」という独自のスタンスを取っているように感じられます。

特に、序盤5曲の流れは適度にハードで心地よいメロディを兼ね備えた、大人のハードロックを楽しむことができます。THUNDERと比較されがちだけど、このへんは例えばJOURNEYFOREIGNERあたりにも通ずるものがあるんじゃないでしょうか。

かと思うと、6曲目「Playing Tricks On Me」でブラスセクションをフィーチャーしたソウルフルなミディアムナンバーをぶち込んできます。ここまでくると、もはやハードロックというよりはサンタナあたりのアダルトなAORと呼んでも違和感ないくらいの作風。続く「Make The Best Of What You Got」も若干黒っぽさを表出させたロックンロールで、サビに入る前までの流れにFOREIGNERをちょっと思い浮かべたり。「Follow Your Heart」もその系統ですよね。

で、9曲目にしてこのアルバム初のバラード「Do You Love Me Enough」が登場。大人の渋みを感じさせる落ち着いたトーンで、コーラスの入れ方も絶妙。そこから大きなノリの「Stronger」、切ないアコースティックバラード「Love Is The Law」で締めくくる。この余韻を残す終わり方も、なかなかだと思いました。

正直、再結成後の彼らの作品はそこまで真剣に聴いてこなかったし、ピンとくるアルバムもそこまでありませんでした。が、これは全体のバランス含めてすごく良いんじゃないでしょうか。派手さは皆無ですが、じっくり腰を据えて向き合うことができるスルメ系な1枚。入門編としても最適だと思いますよ。



▼FM『ATOMIC GENERATION』
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投稿: 2018 04 19 12:00 午前 [2018年の作品, FM] | 固定リンク

2018年4月18日 (水)

FAIR WARNING『FAIR WARNING』(1992)

ドイツ出身のメロディアスハードロックバンドFAIR WARNINGが、1992年に発表したデビューアルバム。ドイツ本国では同年3月、日本では半年遅れて9月にリリースされましたが、音専誌などで高く評価されたことから翌1993年には初来日公演も実現。本国以上にここ日本で強い支持を誇る、“ビッグ・イン・ジャパン”的な存在のひとつです。

もちろん、それだからといって一発屋だとか作品が一過性のものだとか、そんなことはまったくなく、リリースから25年以上経った今聴いても非常に優れたハードロックアルバムであることには間違いありません。

昨日紹介したPINK CREAM 69同様、このバンドもいわゆるジャーマンメタル的なカラーを持ち合わせない存在のひとつで、ウレ・リトゲン(B)とヘルゲ・エンゲルケ(G)の書くヨーロッパのバンドらしい哀愁味強めのメロディを武器に、それらを非常に卓越したバンドアンサンブルとフロントマンであるトミー・ハート(Vo)の圧倒的なボーカルで表現することにより生まれるマジックで、このデビュー作は埋め尽くされている。それがすべてだと思います。

「Out On The Run」や「The Heat Of Emotion」(かのジノ・ロートによる書き下ろし曲)といったメロウなアップチューン、「When Love Fails」「One Step Closer」「Take A Look At The Future」をはじめとする聴き応えのあるミディアムナンバー、そして「The Call Of The Heart」「Long Gone」「Take Me Up」などこのバンドにとって大きな武器のひとつであるメロディアスなバラードなど、どこをどう切り取っても名曲ばかり。

かと思えば、「The Eyes Of Rock」みたいにメジャーキーの疾走ナンバー、シンセを味付けに加えることでキラキラ度が増す「Hang On」のような楽曲もあり、同系統の楽曲一辺倒では終わらない。ヨーロッパを基盤にしたバンドにアメリカンフレイバーを散りばめるという点においては、先に名前を挙げたPINK CREAM 69と共通する要素も多々ありますが、ボーカリストのカラーが違うと印象もここまで変わるんだな、ということを強く実感できるはず。僕はアンディ・デリスタイプのシンガーが好きだったので、最初こそFAIR WARNINGには苦手意識があったけど、ちゃんとアルバムを聴くとその曲の良さに気づかされ、いつの間にか苦手意識もなくなっていました。

そういった意味ではこのバンド、同郷の大先輩であるSCORPIONSの80年代以降のスタンスに近いものがあるのかもしれません。そう考えると、『LOVE AT FIRST STING』(1984年)以降のSCORPIONSとの共通点も見えてくるのではないでしょうか。

その後も名作と呼ばれる作品を数々発表していますが、トータルとしての完成度の高さはこのデビュー作が随一だと思っています。



▼FAIR WARNING『FAIR WARNING』
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投稿: 2018 04 18 12:00 午前 [1992年の作品, Fair Warning] | 固定リンク

2018年4月17日 (火)

PINK CREAM 69『ONE SIZE FITS ALL』(1991)

ドイツ出身のハードロックバンド、PINK CREAM 69が1991年2月に発表した2ndアルバム。日本では同年5月に発表されており、今作にて日本デビューを飾りました。

当時のメンバーはアンディ・デリス(Vo, G/現HELLOWEEN)、アルフレッド・コフラー(G)、デニス・ワード(B)、コスタ・ツァフィリオ(Dr)で、アンディとアルフレッドのみドイツ人。デニスはアメリカ人、コスタはスイス人という、ドイツ出身ながらも編成は多国籍なバンドでした。それも影響してか、そのサウンドは当時主流だったクサメロによるジャーマンメタルとは一線を画する、アメリカンハードロックに近いものでした。

確か僕は当時、本作のオープニングを飾る「Livin' My Life For You」をラジオで最初に聴き、それでしばらくしてから発売された国内盤を手に取ったのかな。日本人好みのメロディと適度な疾走感とハードなサウンドに、当時すでにブレイクしていたFIREHOUSEや、80年代のDOKKENあたりにも通ずる魅力を感じたことをよく覚えています。

アルバム自体も、とてもドイツ出身バンドとは思えないくらいジャーマンメタルとはかけ離れたもので、ヘヴィメタル調のサウンドに不思議なハーモニーを乗せた「Hell's Gone Crazy」や、どこかWINGERあたりに似たものを感じる「Do You Like It Like That」、プログレッシヴなパワーバラードといった印象の「Ballerina」とひと癖もふた癖もある楽曲がずらりと並びます。

後半もリフがひたすらカッコいいアグレッシヴな「Signs Of Danger」を筆頭に、不思議な変拍子を取り入れた「Walkin' Out To Heaven」、演奏力の高さがキラリと光る「Piggy Back Bitch」、アコースティックギターの切ないメロディが耳に残るバラード「Where The Eagle Learns To Fly」などなど、印象的な楽曲が目白押し。アメリカンなカラーもありつつ、歌メロにヨーロッパのバンドらしい泣きの要素や湿り気の強いメロディも至るところに散りばめられており、そこがこのバンドの独特な魅力確立に一役買っています。

セルフタイトルのデビューアルバムもあとから国内盤がリリースされ、追って聴くと本作に勝るとも劣らない名盤だったわけですが、個人的にはこの2枚目のほうが好きだったりします。それはアンディが参加した3作品中もっとも「アンディ・デリス色の強いアルバム」だからなのかな。実際、のちの参加するHELLOWEENにも通ずる要素がいろんな曲から感じられますし。自分がアンディ加入後のHELLOWEENが好きなのは、そういう理由もあるのかもしれませんね。

現在は別のシンガーを加え、独自のスタンスで活動を続けるPINK CREAM 69。今も悪いわけじゃないけど、個人的にはあまり引っかからないのは、上記のような理由も大きいんでしょう。

追伸。AppleMusicやSpotifyでは1stと3rd『GAMES PEOPLE PLAY』(1993年)は配信されているのに、この2ndは未配信というのは、何故なんでしょうね。勿体ない。



▼PINK CREAM 69『ONE SIZE FITS ALL』
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投稿: 2018 04 17 12:00 午前 [1991年の作品, Helloween, Pink Cream 69] | 固定リンク

2018年4月16日 (月)

ENUFF Z'NUFF『TWEAKED』(1995)

日本では1994年11月に、海外では翌1995年にリリースされたENUFF Z'NUFFの4thオリジナルアルバム。1994年5月に発売された、初期のデモ音源をまとめた『1985』は当初企画アルバム扱いでしたが、のちにこちらが4thアルバムとして認識されているようになり、この『TWEAKED』が5thアルバムに繰り下げとなっています。

メジャーのAtlantic Recordsからデビューし、2枚のアルバムを発表後、3枚目の『ANIMALS WITH HUMAN INTELLIGENCE』(1993年)をArista Recordsからリリースするも、1枚で契約終了。『1985』からインディーズに拠点を移し、この『TWEAKED』もインディーズからのリリースとなりました。

それもあってなのか、本作のサウンドは過去3枚と比較すると非常にチープで生々しいプロダクションです。もちろん、80年代的なビッグプロダクションが時代遅れになっていたというのもあるでしょうが、それにしてももう少しどうにかできなかったのかなと思うものの、今作が今後リマスターなりされる機会もまずないでしょうから、これはこういうものとして受け取ることにしましょう。

内容についてですが、録り下ろしオリジナル作品として前作にあたる『ANIMALS WITH HUMAN INTELLIGENCE』に多少孕んでいたグランジなどダークなロックからの影響は本作にも見え隠れしますが、当時言われたほどグランジ的なカラーは今聴くと感じられない気がしていて。むしろ、2ndアルバム『STRENGTH』(1991年)にあったダークさに近いようなイメージかもしれません。要するに、このカラーって彼らが本来持ち合わせていたもの……例えばビートルズにおけるジョン・レノンの色だったり、CHEAP TRICKのヘヴィさだったり、そういうものと同質なんじゃないかなと。

そして、ダークかつヘヴィだからといってポップではない、なんてこともなく。どの曲にも彼ららしいメロディアスさがしっかり混在していますし、中には「My Dear Dream」や「We're All Alright」「It's 2 Late」みたいな極上のポップチューンも含まれている。すべてがすべて、この3曲のようではないけれど、それでもENUFF Z'NUFFというバンドの本質的な部分はしっかり感じられる。いや、むしろこのバンドが本来どういうルーツを持つバンドなのかが、初期3作、さらにはデモ音源集『1985』以上に色濃く刻まれているのではないか。その後彼らが進んだ道を認識すればするほど、この『TWEAKED』という作品は非常に重要な1枚だったのではないかと思うわけです。

冒頭の「Stoned」から重々しいですが、そんな中にもキラリと光るメロディアスさとセンスがしっかり感じられる。曲によっては従来のグラマラスさに加え、ブルースフィーリングあふれるナンバーも混在しており、内向的な作風に花を添えています。『STRENGTH』を好むようなリスナーにはうってつけの1枚ではないでしょうか(だからこそ、サウンドプロダクションがもう少し……ね。苦笑)。

最後に、ジャケットについても。本作は2タイプのジャケットが存在しており、初版はアイルランドの葬儀の様子をとらえた写真が用いられており、作品本来がもつダークさと相まって不気味さを醸し出しています。が、のちの再発では不気味かつサイケなイラストが用いられており、こちらもこちらでどうかと思うもの。僕は初版のジャケが気に入っています。



▼ENUFF Z'NUFF『TWEAKED』
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投稿: 2018 04 16 12:00 午前 [1995年の作品, Enuff Z' Nuff] | 固定リンク

2018年4月15日 (日)

DIZZY MIZZ LIZZY『DIZZY MIZZ LIZZY』(1994)

ティム・クリステンセン(Vo, G)率いる、デンマーク出身のトリオバンドDIZZY MIZZ LIZZYによるデビューアルバム。本国では1994年3月に、ここ日本では1995年1月に発表された本作は、特にここ日本では収録曲「Glory」が高く評価されたこともあり、10万枚を超えるヒット作となりました。

ハードロックからの影響を感じさせつつも、グランジ以降のオルタナロック色が強いバンドアンサンブル、北欧のバンドらしく哀愁味漂うメロディが混在する独特のスタイルは、同時期に活躍したアメリカやイギリスのバンドにはないもの。なおかつ、ハードロックファンをも魅了するこのスタイルは、グランジは受け付けなかった日本のロックファンからもそれなりに評価されたようでした。

確かに「Glory」1曲を聴いただけでは、HR/HMファンが喜びそうなメロディ、フレーズが目白押しかと思います。実際、90年代を代表する名曲のひとつではることには間違いありませんが、このバンドの本質って実はこの曲よりも「Waterline」や「Barbedwired Baby's Dream」「67 Seas In Your Eyes」あたりから感じられる独特なバンドアンサンブルだと思うのです。

そういえば、同じトリオ編成ということで、当時RUSHあたりと比較する声があったのも、今となっては懐かしいですね。もちろん、音楽性はまったく異なりますけど、言わんとしてることは理解できます。ポール・マッカートニーみたいな名ソングライターと、LED ZEPPELINやRUSHみたいに独自のグルーヴ感を生み出すバンドが合体したような存在なわけですからね。

アルバムのオープニングを飾る「Waterline」のシンコペーションを効かせたバンドプレイやパートによってテンポ感が変化するアレンジ、「67 Seas In Your Eyes」あたりで自然に飛び込んでくる変拍子、「Silverflame」のサビでみせる独特なメロディの刻み方、などなど。ソングライティング力の高さはもちろんのこと、バンドとしての演奏力の高さやアレンジ力に優れている点など特筆すべきポイントがたくさんありまして。要するに、「Glory」1曲だけでは語りきれない魅力があるからこそ、このバンドは現在に至るまで長きにわたり愛され続けているわけです。

ソングライティングに関しては、特にティム・クリステンセンという稀代のソングライターによるところも大きく、90年代末にこのバンドが解散して以降もソロアーティストとして日本でも高評価を獲得し続けている事実からも、その実力が伺えるのではないでしょうか。

とにかく、捨て曲なしの約55分(日本盤ボーナストラック除く)、頭からラストまでぶっ続けて聴いてその魅力をたっぷり堪能してほしいと思います。



▼DIZZY MIZZ LIZZY『DIZZY MIZZ LIZZY』
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投稿: 2018 04 15 12:00 午前 [1994年の作品, Dizzy Mizz Lizzy] | 固定リンク

2018年4月14日 (土)

D-A-D『NO FUEL LEFT FOR THE PILGRIMS』(1989)

デンマークの4人組ハードロックバンド、D-A-Dが海外で1989年3月、ここ日本では同年12月に発表された世界デビューアルバム(本国では通算3作目)。もともとはDISNEYLAND AFTER DARKというバンド名でしたが、ワールドワイドデビューを機に現在のD-A-Dに改名。ぶっちゃけ、記号性の強い今の表記のほうがカッコいいですけどね。

デンマーク出身のバンドなんですが、サウンド的にはAC/DCっぽいストロングスタイルのハードロックとパンク以降の疾走感、どこかウェスタンを彷彿とさせるカラッとしたギターサウンド、そこに北欧らしい湿り気の強いメロディが乗るというアンバランスさがこのアルバムの魅力。オープニングナンバー「Sleeping My Day Away」や「Point Of View」といったマイナーキーの楽曲に、そういった泣きの要素が強く反映されており、リリース当時ここ日本でも「Sleeping My Day Away」はラジオヒットした記憶があります。

かと思うと、上にも書いたように「Jihad」や「Rim Of Hell」「Girl Nation」で聴けるAC/DC的なロックンロール、「ZCMI」「True Believer」みたいなマカロニウエスタンテイストのアップチューン、メタリックな「Ill Will」みたいな硬派な楽曲も複数存在する。というか、このバンド本来の持ち味って実はこっち側なんじゃないかなと思うのです。とはいえそこは、次作『RISKIN' IT ALL』(1991年)を聴いて改めて実感するわけですが。

フロントマンのイエスパ・ビンザー(Vo, G)のしゃがれ声、スティグ・ペダーセン(B)の2弦しか張ってないベース(とヘルメット姿。笑)と音のみならずビジュアルでも楽しませてくれた彼ら。「Sleeping My Day Away」はアメリカでもそこそこ当たったらしく、このアルバム自体も全米116位まで上昇したとのこと。つまり、世界でもっとも売れたD-A-Dのアルバムということになるようです。

もちろん素晴らしい作品なんですが、これが当たってしまったがために、その後も“第二の「Sleeping My Day Away」”を求められ続けてしまう不幸が続くわけですが、彼らはそんなこと御構いなしに活動を継続。一度も解散することなく、2014年には結成30周年を迎え、今もヨーロッパを中心にライブを続けているようです。

90年代半ば、グランジからモロに影響を受けたアルバム『HELPYOURSELFISH』(1995年)も当時はびっくりしたけど、今聴くと非常に良いんですよ。ここ日本ではしばらくリリースが途絶えていますが、『NO FUEL LEFT FOR THE PILGRIMS』を起点にして久しぶりに彼らのアルバムを掘ってみたいと思います。



▼D-A-D『NO FUEL LEFT FOR THE PILGRIMS』
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投稿: 2018 04 14 12:00 午前 [1989年の作品, D-A-D] | 固定リンク