2020/12/31

INDEX

当ブログにて公開中のレビュー、および1998年12月からスタートした『とみぃの宮殿』に掲載された記事を当ブログにて再公開したレビューのインデックスページになります。現時点で2000近いエントリーがあるため、こちらは時間をかけながら、ゆっくりと完成させていく予定です。(随時更新中)

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投稿: 2020 12 31 12:00 午前 [「記事一覧」] | 固定リンク

2017/07/31

2017年7月のお仕事

2017年7月に公開されたお仕事の、ほんの一例です。随時更新していきます。
(※7月26日更新)


[WEB] 7月26日、「リアルサウンド」にて神様、僕は気づいてしまったのインタビュー「神様、僕は気づいてしまったが掲げる“アンチテーゼ”とは?「まずやるべきことは10代の洗脳かも」」が公開されました。

[WEB] 7月25日、「Red Bull Japan」オフィシャルサイトにてコラム「今年の『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』はこの8組が見逃せない!」が公開されました。

[WEB] 7月23日、「リアルサウンド」にて公開された「追悼チェスター・ベニントンーー彼とLinkin Parkが音楽シーンにもたらしたもの」にコメントを寄せました。

[WEB] 7月22日、「リアルサウンド」にてMasion book girlのアーティスト評「Maison book girlは一線を画する存在へ “総合芸術的”グループの魅力を考察」が公開されました。

[紙] 7月18日から全国のTSUTAYA店頭で無料配布中の「TSUTAYA on IDOL×BRODY 欅坂46特別号」にて、菅井友香×渡辺梨加インタビューおよび齊藤京子×佐々木久美インタビューを担当・執筆しました。

[WEB] 7月14日、「激ロッック」にて10-FEETインタビュー10-FEETニューシングル『太陽の月』ディスクレビューが公開されました。

[WEB] 7月13日、「Red Bull Japan」オフィシャルサイトにてコラム「『FUJI ROCK FESTIVAL '17』必見アーティスト9選」が公開されました。

[WEB] 7月12日、「リアルサウンド」にて上白石萌音のインタビュー「上白石萌音が明かす、オリジナル曲を歌うことで芽生えた“変化”「ひとつ解き放たれた感覚がある」」が公開されました。

[紙] 7月12日発売「TV Bros.」2017年7月15日号にて、原田知世『音楽と私』アルバムレビューを執筆しました。

[紙] 7月10日配布開始のフリーマガジン「激ロックマガジン」2017年7月号にて、10-FEETインタビューを担当・執筆しました。

[WEB] 7月6日、「リアルサウンド」にてLiSAのライブ評「LiSAのパレードはまだ始まったばかり アリーナツアーに見たエンターテイナーとしてのポテンシャル」が公開されました。

投稿: 2017 07 31 12:00 午後 [「仕事紹介」] | 固定リンク

2017/07/27

THE HELLACOPTERS『GRANDE ROCK』(1999)

THE HELLACOPTERSが1999年春に発表した通算3作目のスタジオアルバム。2ndアルバム『PAYIN' THE DUES』(1997年)まで参加したドレゲン(G)が自身のメインバンドBACKYARD BABIESが本格的に忙しくなったことから、同年をもって脱退。その後しばらくはサポートギタリストを迎えてライブを続行しますが、本作『GRANDE ROCK』のレコーディングではニッケ(Vo, G)とボバ・フェット(Key)の2人がギターを担当しています。

ドレゲンが抜けた影響でしょうか、本作はデビュー作『SUPERSHITTY TO THE MAX!』(1996年)や次作『PAYIN' THE DUES』にあったパンキッシュなガレージロック色が後退。軽快さはそのままに、テンポ感も若干落としてじっくり聴かせる方向へと移行しつつあります。また、曲調にブラックミュージック(ソウルやR&B、ブルースなど)のカラーが濃くなり始めるなど、続く4thアルバム『HIGH VISIBILITY』(2000年)への片鱗が見え隠れします。そういう意味では、後期HELLACOPTERSへ向けた過渡期的1枚と言えなくもありません。

が、過渡期と呼んでしまうには勿体ないぐらいに完成度は高く、「Action De Grace」「Renvoyer」と2つの兄弟作的ショートチューンがオープニングとエンディングに並ぶことでアルバムに1本芯が通ったような強固なイメージを与えています。もちろんその間には、いかにも彼ららしい疾走感を伴う爆走ロケンローがたっぷり収録されているわけですが、そんな中に次作への布石となるミディアムテンポのソウルフルロック「Welcome To Hell」、アップテンポながらもどこか“黒っぽさ”が感じられる「Venus In Force」、タイトルからして完全お遊びっぽいけどしっかりKISSカラーで埋め尽くされた「Paul Stanley」など、興味深い楽曲がたくさん収められています。

サウンド的にも、歪みまくりで生々しかった過去2作からかなり整理され、純粋にロックアルバムとして優れた、聴きやすい作風に。ギターのディストーションもかなりナチュラルなもので、バンドとしてより一段高いステージを目指していく強い意思が感じられます。そりゃあ次に『HIGH VISIBILITY』みたいな力作が生まれるのも、納得するってもんです。

本作発表後、正式メンバーとしてロバート・ストリング(G)が加入。こうして解散まで不動のラインナップが完成することになります。

攻撃的な初期2作と、ソウルテイストを強めていく4作目以降の間に挟まれた、非常に不安定な時期に制作された作品かもしれませんが、個人的にはかなり聞く頻度の高い1枚。ぶっちゃけ今は初期2作よりも気に入っています。



▼THE HELLACOPTERS『GRANDE ROCK』
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投稿: 2017 07 27 12:00 午前 [1999年の作品, Hellacopters, The] | 固定リンク

2017/07/26

BACKYARD BABIES『BACKYARD BABIES』(2008)

2008年8月にリリースされた、BACKYARD BABIES通算6枚目のスタジオアルバム。前作『PEOPLE LIKE PEOPLE LIKE PEOPLE LIKE US』(2006年)でシンプルかつストレートな作風へとシフトチェンジした彼らですが、バンド名を冠した今作では2ndアルバム『TOTAL 13』(1998年)から前作までの集大成と呼べる豪快なハードロックを聴かせてくれます。

「Fuck Off And Die」という強烈なタイトルのオープニングトラックからして“お前、それ売れようと思ってないだろ?”と突っ込みたくなりますが(しかも本作からの1stシングルがこれなんだから)、ドレゲン(G, Vo)がメインボーカルを務める同曲がアルバム冒頭を飾ることにも驚かされます。しかし、この曲以降は通常運転。ニッケ(Vo, G)ボーカル曲が中心で、途中でニッケ&ドレゲンがツインボーカル体制で歌う曲も飛び出します。

『TOTAL 13』や『MAKING ENEMIES IS GOOD』(2001年)あたりの楽曲が好きな人なら一発で気にいる「Come Undone」や「Zoe Is A Weirdo」、ニッケらしさに満ち溢れたアメリカンロック調バラード「Abandon」Saved By The Bell」、GUNS N' ROSESのディジー・リードがピアノでゲスト参加した「Voodoo Love Bow」(ディジーはもう1曲、日本盤ボーナストラック「Saved By The Bell (Piano Version)」にも参加)、ド直球なパンクチューン「The Ship」「Where Were You」、マイナーコードのメロディがいかにも彼ららしい疾走ナンバー「Nomadic」と、BACKYARD BABIESのことが好きなら必ず引っかかりのある曲がずらりと並んでいます。“俺はこの時代が好き!”とこだわりが強いファンも多いでしょうが、そういった人たちを少なからず巻き込むという意味では、正真正銘の集大成アルバムなのかもしれませんね。

しかし、それが原因なのかわかりませんが……リリース当時はもの足りなさを感じたのも事実。どこかひとつ、突き抜けた部分があったら、と不満タラタラで、実はそこまで聴き込んでいなかったんです。でも、久しぶりにこのアルバムと向き合ってみたら、その“もの足りなさ”が逆に“バランス良さ”に感じられるのだから、本当に不思議なものです。きっと、自分は彼らにそれまで“Too Much”なものを求めすぎていたんだなと、そこで再確認したわけです。反省編成。

本作を完成させた彼らは翌2009年に結成20周年を迎えるも、無期限の活動休止に発表。ちょうど休止直前の2010年3月に実施された単独来日公演にも足を運びましたが、そこには悲壮感は一切なく、終始彼ららしいストイックかつ能天気なロックンロールパーティを展開しました。これならすぐに戻ってきてくれるな、と当時は楽観視したものですが、まさかそこから5年近くも間が空くなんてね(しかもニッケもドレゲンもソロアルバムは出すは、ドレゲンに至ってはMICHAEL MONROEのギタリストになるわで、やきもきしたものです)。



▼BACKYARD BABIES『BACKYARD BABIES』
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投稿: 2017 07 26 12:00 午前 [2008年の作品, Backyard Babies] | 固定リンク

2017/07/25

MICK JAGGER『SHE'S THE BOSS』(1985)

ROLLING STONESのフロントマン、ミック・ジャガーが1985年2月に発表した初のソロアルバム。これまで映画のサウンドトラックにソロ名義の楽曲を提供したことはあったものの、アルバムまるごとソロで制作するのはこれが初めてのこと。1983年11月に発表したストーンズのアルバム『UNDERCOVER』で時代の最先端のサウンドを取り入れようとしたミックと、それまでのスタイルにこだわりを持っていたキース・リチャーズとの仲が険悪になり、さらに追い討ちをかけるようにミックの本格的ソロ活動開始と、2人の仲はさらに悪化していくことになります。

そんな不安定な状況下で制作されたこのアルバム。オープニング曲「Lonely At The Top」がいきなりジャガー/リチャーズ名義……つまり、ストーンズのアウトテイク曲をソロ用にリテイクしたトラックからスタートすることで、当時多くのファンを驚かせました。サウンド的には現代的な電子ドラムやシンセを多用したモダンなもので、そりゃここまでやったらキースはさらにブチギレるだろうな……なんて、今聴いても思ってしまいます。

しかも、本作のほぼ全編でギターを弾きまくっているのがジェフ・ベック。さらにTHE WHOのピート・タウンゼント、CHICのナイル・ロジャース、エディ・マルティネスなど“いかにも”な面々を招集しています。ベーシストに目を向けても、CHICのバーナード・エドワーズやビル・ラズウェル、SLY AND ROBBIEのロビー・シェイクスピア、WHITESNAKEなどで活躍したコリン・ホッジキンソン、ドラムにはSLY AND ROBBIEのスライ・ダンバー、CHICのトニー・トンプソン、アントン・フィグ、スティーヴ・フェローンなど……クレジットを全部書いていくだけで、このコラムが埋まってしまうほど多数(苦笑)。

楽曲自体は先の「Lonely At The Top」以外はほぼミック単独で書いたもので、2曲(「Lucky In Love」「She's The Boss」)のみカルロス・アロマーとの共作。ミックらしい非常にポップで親しみやすいメロディを持つ佳曲が満載で、ストーンズでの彼らしさもありつつも、「そうそう、ミックってこういうの好きそうだもんね」と納得させられるような新機軸もあり。そんな中、「Hard Woman」みたいにソウルフルなバラードを入れてしまうあたりに、ストーンズとは離れられない彼の“弱さ”も感じてしまうんですよね。

シングルヒットした「Just Another Night」(全米12位)の印象が強いアルバムかもしれませんし、今聴くとそのサウンドの“80年代っぽさ”に時代を感じてしまうかもしれませんが、楽曲自体は良いものが多く、ゲストミュージシャンたちのプレイにも聴きどころが多いので、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょう。ストーンズは苦手だけどこれはアリ、ってこともあるかもしれませんしね。



▼MICK JAGGER『SHE'S THE BOSS』
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投稿: 2017 07 25 12:00 午前 [1985年の作品, Jeff Beck, Mick Jagger, Rolling Stones] | 固定リンク

2017/07/24

ROLLING STONES『UNDERCOVER』(1983)

ROLLING STONESが1983年末に発表したスタジオアルバム(本国イギリスでは17枚目、アメリカでは19枚目)。全英2位、全米1位を獲得し、アメリカではマルチミリオンを達成した前作『TATTOO YOU』(1981年)からは「Start Me Up」(全英7位、全米2位)、「Waiting On A Friend」(全英50位、全米13位)、「Hang Fire」(全米20位)とシングルヒットも連発させ、同作を携えた大々的なツアーも大成功させました。

そこから約2年後に発表された本作『UNDERCOVER』は、前作『TATTOO YOU』が過去の未発表曲を中心に構成されたことから、久しぶりの“純粋な”オリジナルアルバムとなりました。パンクがニューウェイブが流行した70年代末〜80年代初頭を経て、ストーンズはアメリカで流行り始めていたヒップホップに、ニューウェイブ以降のダブやアフリカンビートを取り混ぜることで、新たなスタイルを確立させようとします。

シングルカットもされたオープニング曲「Undercover Of The Night」(全英11位、全米9位)は、パワフルな電子ドラムをフィーチャーしており、当時のクラブシーンを意識して制作されたのでは?と予想できるナンバー。ビル・ワイマンの印象的なベースライン、そしてキース・リチャーズによるメタリックなギターリフ、すべてがカッコイイとしか言いようのないナンバーです。

他にもレゲエを基盤にしつつも、電子パーカッションを効果的に取り入れた「Feel On Baby」、ダビーなアフロビートとゴージャスなブラスセッションの取り合わせが気持ち良い「Too Much Blood」、ファンキーなサウンド&リズムの「Pretty Beat Up」、従来のストーンズ流R&Rに電子的要素を取り入れた「It Must Be Hell」など、新機軸を感じさせる楽曲多数。特に「Undercover Of The Night」と「Too Much Blood」は12インチシングルとしてダンスミックスも制作されるなど、もともとフロアを意識して制作されたんじゃないかと推測されます。

こういった新機軸はミック・ジャガー主導であろうことは、これまでのストーンズの歴史を振り返れば想像つきますが、となるとキースに「待った!」と言っていたんじゃないかという予想もできるわけで。実際、上記の楽曲以外はこれまでのストーンズの型に沿ったストレートでシンプルなロックンロールなわけで、そのへんに当時のミックとキースのこだわり(ぶつかり合い)が感じられたりもします。

結局本作での試みはこの1作のみで終了(全英3位、全米4位)。というか、同作でのツアーは実現することなく、ミックは初のソロアルバム制作へと向かい、ストーンズとしてはキース主導の次作『DIRTY WORK』(1986年)へと続いていくわけです。



▼ROLLING STONES『UNDERCOVER』
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投稿: 2017 07 24 12:00 午前 [1983年の作品, Rolling Stones] | 固定リンク

2017/07/23

ALICE IN CHAINS『BLACK GIVES WAY TO BLUE』(2009)

2002年4月、レイン・ステイリー(Vo)の急死をもって、その活動に幕を下さざるをえない状況に追い込まれたALICE IN CHAINS。それから4年後、彼らは新ボーカリストにウィリアム・デュヴァールを迎え再始動。オリジナルアルバムとしては1995年の3rd『ALICE IN CHAINS』から実に14年ぶりに発表されたのが、本作『BLACK GIVES WAY TO BLUE』です。

ミドルテンポで引きずるようにヘヴィで陰鬱なスラッジサウンドはそのままに、あの“聴いてるだけでどこか不安な気持ちになってくる”も健在。冒頭2曲「All Secrets Known」「Check My Brain」を聴けば、間違いなく「あのALICE IN CHAINSが帰ってきた!」と実感できるはずです。

3曲目「Last Of My Kind」に入り、ようやくウィリアムの本領発揮。レインのような“爬虫類的でカリスマチックな”歌声ではないものの、深みのあるパワフルな歌声を響かせてくれる。最初こそこのALICE IN CHAINSサウンドに別の声が乗ることに違和感があったけど、何度か聴き返しているうちにそれも慣れてくると思います。

全体的な構成は、前作にあたる『ALICE IN CHAINS』の延長線上にある作風。しかし、レインのドラッグ癖で思うように活動できず無理矢理仕上げた感も多少なりともあった『ALICE IN CHAINS』と比べると、本作はより整理されている印象が強い。もちろん、前作はその無理矢理感が良い方向に作用していたわけで、あれと同じもの、あるいはそれに近いものを再び作ることは不可能。そういう意味では、ここには前作で試みた挑戦の完成型が存在しているのではないでしょうか。あの当時は『ALICE IN CHAINS』こそがAICサウンドの究極型だと思っていたけど、その続きがあったとは(いや、その続きが聴けることになるとは)……長生きはしてみるものですね。

ジェリー・カントレル(G, Vo)がメインで歌う「Your Decision」なんて、まんまALICE IN CHAINSじゃないですか(当たり前の話ですが)。でも、そこには不条理さも混沌さも存在しない。それが聴く人によってはもの足りなさにつながるかもしれませんが、1枚のロックアルバムとしての完成度は非常に高い。グランジブームが終焉した1994〜5年頃から10数年経ち、ようやく本家のうちの1組が万全の体制で“あの頃”にけじめをつけた。この『BLACK GIVES WAY TO BLUE』はそういう、今後活動を続けていくために作らなくてはいけなかったアルバムなんじゃないでしょうか。

「Your Decision」のラストフレーズ“It's Over”を耳にするたび、そう思わずにはいられません(で、前作のラストナンバーが「Over Now」だったのにも、何かの因縁を感じるという)。



▼ALICE IN CHAINS『BLACK GIVES WAY TO BLUE』
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投稿: 2017 07 23 12:00 午前 [2009年の作品, Alice in Chains] | 固定リンク

2017/07/22

DEAD BY SUNRISE『OUT OF ASHES』(2009)

LINKIN PARKのチェスター・ベニントン(Vo)が現地時間7月20日朝、ロサンゼルスの自宅で亡くなっているところを発見されました。自殺だったとのことです(詳細はこちら)。LINKIN PARKは来週から新作『ONE MORE LIGHT』を携えた北米ツアーも控えており、そのうちの数ヶ所には11月の来日公演で共演するONE OK ROCKがゲスト出演する予定でした。

11月の来日公演には僕も足を運ぶ予定だったので、ぶっちゃけ驚きを隠しきません。いや、ショックといったほうが正しいか。深夜にこの報せを受け、そのまま眠れずに朝を迎えてしまったのですから。

ふとLINKIN PARKの音源を手にとってみようとしたら、しばらく聴いていなかったこのアルバムが目に入りました。そういえば、これはまだ取り上げてなかったな……今日はチェスターのソロプロジェクト・DEAD BY SUNRISE唯一のアルバム『OUT OF ASHES』(2009年)を紹介することにします。

このプロジェクトは2005年頃に立ち上げられ、LINKIN PARKの3rdアルバム『MINUTES TO MIDNIGHT』(2007年)のレコーディング開始前にこの『OUT OF ASHES』を制作したとのこと。プロデューサーにハワード・ベンソン、制作パートナーに元ORGYのギタリスト2人、ライアン・シャックとアミア・デラクを迎え本作を完成させました。作風的になんとなく『MINUTES TO MIDNIGHT』で聴けるストレートなサウンドは、すでにこのDEAD BY SUNRISEを立ち上げた時点から決まっていたのですね。

とはいえ、LINKIN PARKとDEAD BY SUNRISEはボーカリストとソングライター(の一部)が一緒というだけで、バンドとしては別モノ。特にこのDEAD BY SUNRISEはヒップホップ色皆無ですし、よりダークさが強まっている印象があります。ゴシック的なダークさではなく、90年代初頭のグランジあたりに蔓延していたダークさと言ったほうがわかりやすいでしょうか。

適度にプログラミングなどを導入していますが、基本的にはギターを軸にしたハードロック。本作でのチェスターは激しさよりも、歌をじっくり聴かせることに注力しているように感じられます。「Crawl Back In」でのグランジ的作風はLINKIN PARKにはないラフさがあるし(これがのちのSTONE TEMPLE PILOTS参加につながるとは、当時は思ってもみませんでしたが)、バラード調の「Give Me Your Name」で美しい歌声を聴かせたかと思えば、続く「My Suffering」や「Condemned」では初期LINKIN PARKを思わせるスクリームを響き渡らせる。「Inside Of Me」みたいにLINKIN PARK的な楽曲もあるけど、それ以上に耳に残るのは、「Let Down」や「Into You」、そして「In The Darkness」のようなムーディーな歌モノ。同じシンガーによる2つのバンドの比較は避けきれませんし、それによってファンは本作を「LINKIN PARKより劣る」と判断してしまうかもしれません。実際、自分もリリース当時はそう感じたんですから。

でも、久しぶりに聴いてみたら(チェスターの死を抜きにしても)しっかり楽しめる1枚になっていた。これってもしかしたら、LINKIN PARK自体の方向性が少しずつDEAD BY SUNRISEに歩み寄っていたのもあるのかも……なんていうのは、言い過ぎでしょうか?

結果的には1回こっきりのプロジェクトで終わってしまいましたが、この続きがもしあったのなら……いや、“たられば”はやめておきましょう。今は彼が残した数々の名作に浸ることにしましょう。



▼DEAD BY SUNRISE『OUT OF ASHES』
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投稿: 2017 07 22 12:00 午前 [2009年の作品, Dead By Sunrise, Linkin Park, Orgy] | 固定リンク

2017/07/21

RED HOT CHILI PEPPERS『ONE HOT MINUTE』(1995)

1995年秋に発表された、RED HOT CHILI PEPPERS通算6枚目のスタジオアルバム。前作『BLOOD SUGAR SEX MAGIK』(1991年)がバカ売れ(全米3位、全世界でトータル1300万枚超)したものの、リリース翌年にジョン・フルシアンテ(G)が突如脱退。以降はサポートなどで数名のギタリストを入れ替えつつ活動していましたが、最終的に元JANE'S ADDICTIONのデイヴ・ナヴァロが加入するという衝撃の展開に。そうして約4年ぶりに発表されたのが、この『ONE HOT MINUTE』というアルバムです。

ジョンならではのメロウ&サイケデリックな側面が強く表れ、それがレッチリ本来のファンク+パンクなスタイルと融合したことで4thアルバム『MOTHER'S MILK』(1989年)よりも強靭な個性を確立。しかもそのアルバムがバカ売れしてしまったことで、バンドは成功した路線を踏襲するのかどうかに注目が集まりましたが、そこはレッチリのこと。『BLOOD SUGAR SEX MAGIK』とは異なるハードな作品を提供してくれました。

とにかく、デイヴ・ナヴァロのギターが派手。JANE'S ADDICTION時代もその個性的なプレイでリスナーを楽しませてくれたデイヴですが、本作ではとにかくギターが暴れまくっている。で、必然的に楽曲もそれに見合った激しくて派手なファンクロックが満載。1曲目「Warped」での緊張感の強いサウンド&プレイは、この時期この編成ならではの奇跡的な好演ではないでしょうか。

その後も「Aeroplane」「Deep Kick」「Coffee Shop」「One Big Mob」「Shallow Be Thy Game」など、とにかくカッコいい曲が満載。かと思うと、前作における「Under The Bridge」ほどではないもののそれなりに聴き応えのある歌モノ「My Friends」「Tearjerker」もある。デイヴのギタープレイが好みというのも大きいですが、個人的にはレッチリの全作品中もっとも好きなアルバムが本作です。

ただ、デイヴが参加したのは本作のみ。1997年夏のフジロック初年度に嵐の中でのライブが話題となりましたが、その後デイヴはバンドを離れ、ジョンが再加入。1999年に『CALIFORNICATION』をリリースし、第2期黄金期の幕開けを飾ることになります。

そういう意味では、この『ONE HOT MINUTE』は非常に不憫なアルバムなんですよね。ジョン再加入後には本作からの楽曲もほぼ演奏されていないし、現在におけるまで黙殺状態が続いている。ジョンとフリー(B)はその後、再結成JANE'S ADDICTIONで共演しているので不仲ではないはずですが、できることならこの時代のレッチリも再び観てみたいものです(できれば、アンソニーが骨折してない状況で)。



▼RED HOT CHILI PEPPERS『ONE HOT MINUTE』
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投稿: 2017 07 21 12:00 午前 [1995年の作品, Jane's Addiction, Red Hot Chili Peppers] | 固定リンク

2017/07/20

GOJIRA『MAGMA』(2016)

フランス出身の4人組ヘヴィメタルバンド、GOJIRAが2016年初夏に発表した通算6枚目のスタジオアルバム。前作『L'ENFANT SAUVAGE』(2012年)は日本盤もリリースされ、2015年10月には『LOUD PARK 15』出演およびSLAYER単独公演のゲストアクトとして初来日公演も実現したので、(また、昨年の映画『シン・ゴジラ』公開にあわせてそのバンド名で)記憶に残っている人も多いのではないでしょうか。

もともとヘヴィでプログレッシヴな要素を持ち合わせていたバンドではありますが、4年ぶりの新作となった本作『MAGMA』ではそのプログレッシヴさがより強まっているように感じました。スピードで推し進めつつ豪快なアレンジで起承転結するスタイルではなく、ミディアム〜スローで重々しいサウンドの中で表情を少しずつ変えていくその様は、どこかMASTODONや2000年代後半以降のOPETHにも通ずるものがあります。

特に本作は、クリーントーンの歌声が印象的なオープニングトラック「The Shooting Star」でいきなり驚かされるのですが、曲が進むにつれて従来のGOJIRAらしい要素も登場します。特徴的なエフェクトをかけたギターサウンドが耳に残る「Stranded」、緊張感のあるヘヴィサウンドとメロディアスなギターフレーズ、そしてどこか宗教的な歌メロとの融合が不思議な空気感を醸し出すアルバムタイトルトラック「Magma」、バスドラ連打とギター&ベースリフのユニゾンが気持ち良い「Pray」など、とにかく聴きどころの多い1枚です。

プログレッシヴな作風とはいえ、1曲1曲が連作になっているわけではなく、そのどれもが単体として独立した楽曲で、なおかつ1曲3〜4分程度。最長でも6分台で、それも全10曲中2曲。トータルで44分にも満たないトータルランニングのせいもあって、非常に聴きやすい印象を受けます。プログレッシヴなテイストはあくまで味付けといったところで、それがバンドにとってメインの武器ではない。陰鬱なヘヴィさに加えて、本作ではメロディアスさが少々強まったことで、かつてないほどに個性的な作品に仕上がったように思います。

残念ながら、本作は国内盤未発売。ぜひ『LOUD PARK』での再来日に期待しつつ、そのタイミングでの国内盤リリースにも期待したいところです。



▼GOJIRA『MAGMA』
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投稿: 2017 07 20 12:00 午前 [2016年の作品, Gojira] | 固定リンク

2017/07/19

ALCEST『KODAMA』(2016)

フランス出身の2人組“ブラックメタル+シューゲイザー=ブラックゲイズ”バンド、ALCESTが2016年秋に発表した5thアルバム。僕個人は前作『SHELTER』(2014年)で初めて彼らの音に触れたのですが、同作はそれ以前のブラックメタル的要素が減退し、よりポジティブで多幸感にあふれたサウンドが印象的な作品でした。バンドとしての進化を強くイメージさせた『SHELTER』から、次に彼らがどこへ進んでいくのか。それが端的に示されたのがこの『KODAMA』というアルバムになるわけです。

本作のタイトルは日本語の“木霊”のことで、作品自体も日本びいきの彼らが大ファンの宮崎駿作品『もののけ姫』からインスパイアされ制作。前作を覆っていた穏やかな空気感とは異なり、また初期のブラックメタル的路線とも異なる……その中間とまではいきませんが、ブラックゲイズ路線を一歩推し進めた内容と言えるかもしれません。

1曲目「Kodama」こそ穏やかさと激しさが同居した、非常にプログレッシブなサウンドが展開されますが、2曲目「Eclosion」ではスクリームなどブラックメタル的テイストが復活。その後もブラストビートを用いた「Oiseaux De Proie」などが登場しますが、それは「一周回って、こういう表現もありだよね」的な使い方で、原点回帰でも後退でもなんでもない。『SHELTER』という快作があったからこそたどり着けた、新たな地平と言えるのではないでしょうか。

いわゆるシューゲイザーともドリームポップとも違う、ヒリヒリと張り詰めた空気感と穏やかな空気感が交互に現れる長尺の楽曲が大多数を占める(全6曲中、7分超えが4曲。内2曲は9分前後)にもかかわらず、非常に練った構成・アンサンブルで聴く者を飽きさせないのはさすがの一言。ポストロックをメタル的解釈で表現した本作は、どこか映画のサウンドトラック的な表情も感じられます。

いわゆるシューゲイザーではもの足りないというメタルヘッズは、こういった方向からシューゲイザーの世界に触れてみてはどうでしょう。それこそ、彼らは初期の作品はもっとブラックメタル色が強いので、もっともバランスの取れた本作を起点にALCESTの音に触れてみることをオススメします。



▼ALCEST『KODAMA』
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投稿: 2017 07 19 12:00 午前 [2016年の作品, Alcest] | 固定リンク

2017/07/18

KORN『FOLLOW THE LEADER』(1998)

1998年晩夏に発表された、KORN通算3作目のオリジナルアルバムにして最大のヒット作。前作『LIFE IS PEACHY』(1996年)の全米3位、200万枚以上の売り上げに続き、本作は全米1位、500万枚以上ものセールスを記録しています。

最大のヒット作へと導いた最大の要因は、初期2作にあった難解さが後退し、よりわかりやすいメロディとビートを前面に打ち出したこと。「Got The Life」(全米オルタナチャート17位)、「Freak On A Leash」(同チャート6位)といったシングルヒットが生まれたことも大きく影響しているはずです。

LIMP BIZKITも2ndアルバム『SIGNIFICANT OTHER』(1999年)を最初に聴いたときに「ああ、こりゃ売れるわ」と直感で理解しましたが(結果、本当に全米1位に)、この『FOLLOW THE LEADER』も最初に聴いたときにまったく同じことを感じましたし、「垢抜けたなぁ。こりゃあ前作までのファンに叩かれるだろうな」とも思いました。事実、過去2作が好きだったファンからは総スカンを食らったものの、それ以上の新規ファンを獲得したことで大成功を収めるのですから、それはそれで間違ってなかったと言えるかもしれません。

とにかく、歌メロがわかりやすくなり、先に挙げたようなシングル曲など口ずさめるようなポップな楽曲(とはいえ、そのサウンドや音像は非常にヘヴィなのですが)が急増したことはバンドにとってかなりの挑戦だったと言えるはず。演奏面ではところどころで複雑怪奇なプレイを聴かせてくれますが、それがメインとなることはなく、あくまで歌に対する味付けといった程度に収められています。

「Blind」(1stアルバム収録)も「Good God」(2ndアルバム)もここにはないけれど、それでも「It's On!」や「Dead Bodies Everywhere」もあるし、ラストを締めくくるにふさわしい「My Gift To You」もある。ヒップホップファンにはアイス・キューブをフィーチャーした「Children Of The Korn」もあるし、LIMP BIZKITのフレッド・ダーストが参加した「All In The Family」、THE PHARCYDEやSLIMKID3で知られるトレ・ハードソンをゲストに迎えた「Cameltosis」もある。つまりヘヴィロックファン、ヒップホップファン、そしてライト層の全方位に向けた冒険的、かつ「これが売れなきゃウソ!」と断言できるような1枚なわけです。

KORNはその後、本作を下地にした作品創りを繰り返しています。初期に原点回帰!なんていわれても、やはり1stや2ndにあった狂気性を取り戻すまでには至らず……そういう点においては、この『FOLLOW THE LEADER』はバンドにとって“パンドラの箱”だったのかもしれませんね。



▼KORN『FOLLOW THE LEADER』
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投稿: 2017 07 18 12:00 午前 [1998年の作品, Korn, Limp Bizkit] | 固定リンク

2017/07/17

ORGY『CANDYASS』(1998)

1998年晩夏にリリースされたLA出身のヘヴィロックバンド、ORGYのメジャーデビューアルバム。インダストリアルの要素を取り入れたそのサウンドについて、本人たちは“デス・ポップ”と呼んでいたようですが、正直どこまで定着していたかは不明です。ただ、“乱行パーティ”を意味するそのバンド名、KORN主宰レーベル「Elementree Records」からのデビュー、そしてNEW ORDERの名曲中の名曲「Blue Monday」をカバーしたことが大きな話題となり、本作は全米32位、100万枚を超えるヒット作になりました。

インダストリアル調のリズムとデジタルを同期させたバンドサウンドはどこかNINE INCH NAILSを彷彿とさせるものの、あそこまでのカリスマ性が感じられないのも事実。とはいえ、ところどころに引っかかりのあるメロディが散りばめられており、決して駄作とは言い切れない。陰鬱だけど耽美さも感じられる空気感は、同年に発表され大ヒットしたMARILYN MANSON『MECHANICAL ANIMALS』にも通ずるものがあるんじゃないでしょうか。そう考えると1994年頃を起点にスタートした新世代ヘヴィロックの波が、この1998年を境に新たな方向に進み始めたと言えなくもありません。

ちなみにこのバンド、元ROUGH CUTTのアミア・デラク(G)が参加しているというのも興味深いところ。L.A.メタルが生き絶え、グランジが世の中を席巻していた時期に、アミアは時代の波に乗ってこういうことを始めたんだなと思うと、なんとも涙ぐましいものを感じてしまいます。

そんなL.A.メタル界隈の人間が絡むバンドが、NEW ORDERの「Blue Monday」をカバーしているのも、非常に味わい深いものがあります。この時期、ヘヴィロックバンドが80年代のヒット曲をカバーするのは一種の流行りみたいなものでしたが、ORGYもその流れに乗ってヒットを手にするのですから、賢いというかなんというか。このカバーがまたド直球で、嫌いになれないんだよね(アルバムの中では比較的浮いている存在なんだけど)……。

アルバムにはこのほか、KORNのジョナサン・デイヴィス(Vo)も「Revival」で共作&ゲストボーカルで参加しています。かといって作品自体はKORN界隈の一派というよりも、「NINE INCH NAILSやFILTERといったバンドが好きな人なら気にいるかも」といった内容かも。当時はハイプ的存在だったかもしれないけど、今となっては悪くないんじゃないかな。10数年ぶりに聴きましたが、リリース当時よりも素直に楽しめましたよ。



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投稿: 2017 07 17 12:00 午前 [1998年の作品, Korn, New Order, Orgy] | 固定リンク

2017/07/16

MARILYN MANSON『MECHANICAL ANIMALS』(1998)

1998年初秋にリリースされた、MARILYN MANSON通算3作目のオリジナルフルアルバム。前作『ANTICHRIST SUPERSTAR』(1996年)が全米3位、全世界トータルで700万枚もの売り上げを記録する大ヒット作となりましたが、続く今作ではついに全米No.1を獲得します。

しかし、その内容はというと『ANTICHRIST SUPERSTAR』までの暴力的でメタリックなサウンドから一転、よりメロウでグラマラスでデカダンな世界観を展開。アルバムジャケットからもわかるように、ヴィジュアル面でも変化を遂げており、ここからアルバムごとに趣向の異なるサウンド/ヴィジュアルが提示されていくことになります。それはまるで、全盛期のデヴィッド・ボウイのごとく……。

また本作は、前作のように明確なコンセプトアルバム的作風ではないものの、オープニングの「Great Big White World」からラストの「Coma White」までの流れやストーリーが数珠つなぎのように感じられる構成になっています。ヘヴィな曲はあるにはあるけど、それは決してメタリックではなく、陰鬱さと耽美さを兼ね備えた“重さ”であり、同時にどこか物悲しさも漂わせている。その“哀”の部分が強く提示されているところが、前作との大きな違いでしょうか。

スローテンポ感ながらも不思議とキャッチーさと躍動感が味わえる「The Dope Show」やシャッフルビートが心地よい「Rock Is Dead」(映画『マトリックス』にも使用されたことでおなじみ)、70年代半ばのボウイにも通ずるファンキーな「I Don't Like The Drugs (But The Drugs Like Me)」などのシングル曲に加え、先のオープニング&エンディング曲やアルバムタイトル曲「Mechanical Animals」など強弱を強調したミドルチューン、初期ボウイを彷彿とさせるアコースティックナンバー「The Speed Of Pain」、メタルというよりもインダストリアル色が強いアップチューン「Posthuman」「I Want To Disappear」「New Model, No. 15」、ジャズの香りを漂わせるスローナンバー「Fundamentally Loathsome」、のちに発表されるライブアルバムのタイトルのモチーフ(『THE LAST TOUR ON
EARTH』)にも用いられたニューウェイブ色の強い「The Last Day On Earth」と……とにかく、全曲粒ぞろい。おどろおどろしさで押し通した前作までは異なり、あくまで音楽で押し通そうとするその姿勢に、マリリン・マンソン氏の強い意志が打ち出されているように感じます。

個人的な推し曲はオープニングの「Great Big White World」、タイトルトラック「Mechanical Animals」、そしてアルバムを締めくくる「Coma White」の3曲。特に「Coma White」はマンソン史上ベスト3に入る名曲だと断言したい。MARILYN MANSONというバンドが単なるキワモノやトリックスターではないことを証明した、『ANTICHRIST SUPERSTAR』以上の名作だと確信しております。



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投稿: 2017 07 16 12:00 午前 [1998年の作品, Marilyn Manson] | 固定リンク

2017/07/15

TEAM SLEEP『WOODSTOCK SESSIONS VOL.4』(2015)

DEFTONESのチノ・モレノ(Vo)は前回紹介した✝✝✝以外にも複数のプロジェクトを抱えていますが、その中でも比較的長く続いているのが、このTEAM SLEEPかもしれません。

結成は2000年。ちょうどDEFTONESが『WHITE PONY』をリリースした時期にあたります。それから5年後、セルフタイトル作となる1stアルバムをメジャーから発表しますが、以降10年近くは完全に凍結していたようでした。

今回紹介するアルバムはTEAM SLEEP名義では通算2作目の作品で、タイトルどおりウッドストックにあるスタジオでライブレコーディングされた音源から構成。ライブといっても観客の声は抑え気味で、基本的にはスタジオセッションを一部のファンが観覧しているといったところでしょうか。

全9曲中5曲が1stアルバムの楽曲で、その合間にここでのみ聴くことができる最新のインストナンバーなどが挿入されています。約40分絶え間なく続くサウンドスケープは圧巻の一言。15曲入りで50分超だった1stアルバムに手を出すにはちょっとハードルが高すぎるというDEFTONESファンには、とっつきやすい1枚かもしれません。

サウンド的にも『WHITE PONY』以降のチノがバンドで表現しようとしていたもうひとつの要素……ポストロックやアンビエント/サイケのカラーが色濃く表れているし、✝✝✝で表現されたダークでゴシック調のエレクトロポップとは異なりながらも、“もしかしたら、これもまたDEFTONESが進んでいたかもしれない道”と実感させられるのではないでしょうか。

バンドサウンドが軸になっているという点でも、本作は✝✝✝よりもとっつきやすいかもしれません。特に『OK COMPUTER』期のRADIOHEAD、MOGWAIや90年代以降のKING CRIMSONあたりが好きなロックリスナーにはピンとくるものがあるのではないでしょうか。

こういったサイドプロジェクトが、いかにその後の『GORE』(2016年)制作に影響を与えたかを想像するだけで、個人的にはとても興味深いものがあります。



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投稿: 2017 07 15 12:00 午前 [2015年の作品, Deftones, Team Sleep] | 固定リンク